RACE WALKING

「競歩はそもそもどんな競技なのか?」を改めて皆さんに知ってもらうべく、ルールや歴史をご紹介します。
これを読めば一層競歩の魅力に気づく…そんなコンテンツに仕上がっているのでどうぞ最後までお読みください!!

来年開催されるパリオリンピックでは、男女の20㎞競歩と、42.195㎞を男女各1名が2回ずつリレーでつなぐ種目が実施されます。

ところで、競歩を実際に見たり、テレビ観戦したりしたことがある方、こう思ったことはありませんか?

【なぜ競歩選手はあのような独特な歩き方をしているのか。】

競歩(英:Race Walking)とは字の如く、歩く速さを競うスポーツです。
では、どこからが「歩く」どこからが「走る」状態と言えるのでしょうか?

競歩では、歩くフォームに2つのルールが設けられています。

1 ロス・オブ・コンタクト
どちらか左右の足が常に地面と接していなければならない。

2 ベント・ニー
前足が地面に着いた瞬間から地面と垂直になるまで膝を曲げてはならない。

この2つのルールを守れず、審判から3度警告を受けると、20㎞では2分間、決められたペナルティーエリア内で待機しなければなりません。
その後、4度目の警告を受けると「失格」となります。

レース中、警告の数は、コース脇の掲示板に表示されます。
引用:日本陸上競技連盟

選手は歩きながら、この掲示板で自分や他の選手の警告数をチェックし、
競っている選手の警告数が多ければペースを上げて揺さぶりをかけるなど、駆け引きをしながらレースを進めます。

試合の距離にもよりますが、6~9名の審判がコース上で選手のフォームをジャッジします。

ジャッジの方法はあくまで目視。
ビデオ判定等は導入されていません。

先頭を歩いていたとしても、3度の警告によって順位が大きく下がることや、ゴール後に警告が加わることもあるので、結果が確定するまでは安心できません。

最後まで何が起こるか分からない。
選手だけでなく、観戦している観客の方々も、
こうした緊張感を味わうことができるのも競歩ならではの大きな魅力です。

上記の通り、競歩のフォームにはルールがあり、試合結果に大きく関わります。
速さだけでなく、ルールを守って歩く技術力も同時に求められる、とても繊細な競技です。
20㎞競歩では4分/km(時速15㎞)を切る速さで歩きます。
競歩と言えば、距離が長いというイメージがあるかと思いますが、自転車を漕ぐスピードに近い速さでも歩いています。
レースでは、中盤以降が特に苦しく、楽に速く進むために、走りに近いフォームになってしまうことがあります。
そうした苦しい場面でも、自分の体をコントロールし、最後までルールに沿った歩きをしなければならないことも競歩の難しいポイントです。
また、競歩のレースはマラソンとは違い、片道 500m の周回コースを往復して行われます。

単調なコースなので、長い時間集中力を保つことにもエネルギーを使います。
その中で、自分のフォームや審判のジャッジ、他の選手との駆け引き、ペース配分なども考えなければなりません。
そのためレース後は、肉体的疲労はもちろんですが、精神的にもヘトヘトになることもしばしばです。
また、競歩は 1 往復ごとにチームスタッフから手渡しで給水をもらうことができ、観客も選手が歩くコースのすぐ近くで応援ができるという特徴があります。

個人競技ではありますが、チームのサポートや観客の声援を間近で受けられるのは、とても心強い後押しになります!

ぜひ現地で観戦していただき、「歩く」次元を超えた、迫力ある選手の歩きを体感していただきたいです!